Past days

もう、随分むかしのはなしになる。

まだ、学生だったころ、縁者をたよりに旅に出たことがある。

旅の途中、学友の生家に何日か世話になった。

当時でさえ、古びたその家には、広々とした土間があり、

縁側の硝子戸はいつも開け放たれていた。

時期は夏、夜は友人と友人の御尊父と酒を酌み交わし、

川の音を聞きながら、蚊帳を張って寝た。

長州は県庁のある街より、小一時間の片田舎の話である。

ただでさえ時間を持て余している学生の身であるにも拘わらず、

時間は遅々として進むのを拒んでいるかのように感じられた数日間であった。

十年一昔である。

季節の便りに、近況を尋ねて見るのも叉良いかもしれない。

by Ritsu




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