天候は思わしくなく、

いまにも雨が降りだしそうだった

海はいつになく、あたかも川のように流れていた

船は、このロープひとつで、

やっとそのからだを流されるのを留め、

私たちはそれを下から眺めていた

私は、初心者を二人かかえ、

あまりゆっくりと探索することもできなかった

強い流れに逆らいながら、

この写真を撮ることがやっとだった

左腕を、このロープに巻きつけ、

自分の体を支えると、

その、うねる海面を写真に収めた

船に上がって機材を下ろしていると、

私のパーティーの何人かが見当たらない

どうも流されたようだ、

船上に緊張が走る、遠くに人影が見える

船長はすぐさま錨を上げると、船を全力で走らせた