みなみへむかう船の甲板には、
春とはいえ、
強い日差しがさし込んでいる。
海はおだやかなうねりを北へと運び、
その上をゆったりと、
からだを左右にふりながら、
船はすすむ。
いまは、海と空いがいはなにもない。
ただ、ときどき、
海鳥がとんでゆくのが見えるぐらいだ。
潮風にさらされた甲板に、
階段のすきまから光がおちる。
時間はゆっくりと流れてゆく。
by Ritsu
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